リューン備忘録

リューンに4公演行ってきたので、忘れないためにつらつらとどんな内容だったかをまとめていきたいと思います。
もし何かの手違いでこのブログにたどり着いてしまった方がいたら申し訳ないのですが、ネタバレのオンパレードです。見たくない方は戻って頂きますようお願いします。





◎一幕
センターを挟む形で置かれた椅子に大橋くん(下手側)、丈くん(上手側)が座っている。他の演者さんはパンフレットの白い衣装に青白く光る球を手にのせて二人を囲むように立って『調和のシンフォニー』を歌う。曲中ふたりはもがくようなスローモーションを続けている。


大橋くん演じるリューン・ダイは魔法をあんまり信じてなくて、丈くん演じるリューン・フローは魔法は存在する!と信じている、魔法に対しては正反対の意識を持つ少年。
だから魔法使いに会ったことがあるというダイス先生のことをからかうように魔法道具の水晶玉でみえる未来はほんのちょっと先だけ、杖にともる灯りは月明かりよりも暗くて、ほうきはジャンプの補助にすらならない!という。

そこでダイス先生は水晶玉でエルカが来ることつげ、本当にエルカが来る。エルカは後ろ手で何かを隠しながらお母さんのフローリアから逃げてまたどこかへ行ってしまう。
ダイス先生のお話はこれで終わる、フローは一角狼座の芸人で、ダイは修行中の戦士だけど、今回の一角狼座の演目『風の魔法と滅びの剣』にはダイも出演するとフローが言って、ダイはなんでそれをダイス先生に言うの!とでもいうかのように止めにはいる。しかしフローにいつも剣の修行をしているから剣を持たせると人が変わるんだ!と褒めるとうれしそうに剣を振ってみせる。ダイス先生は、必ず見に行きますねという。

ふたりで『僕たちの魔法』を歌い、最後にフロー「忘れないで!本物の剣は人を殺す道具だよ!」、ダイ「大丈夫!俺にはお前がいる。もし俺が道をあやまったときはお前が止めてくれる。そうだろ?」フロー「うん!身をていしてでも」と約束する。(台詞はあやふや)

ここでフローリアが鍋とお玉を持って再び登場、鍋をならしながら朝ご飯だよ!と声をかけ二人は後ろの幕に飛び込むように消えていく。
『「三つのかまど亭」のテーマ』を歌う。ここでのテーマは3が調和の数字であるということ。『フローリアとエルカ』でもフローリアの仕事も3つの方がいいよね、里の長と宿屋の主人だけじゃなくてこの里のお母さんっていうのはどう?と提案する。『マーナムとアリーシャ』でもアリーシャのおなかにいる赤ちゃんが生まれたら晴れて調和の3になるとフローリア、でも双子だったらどうする?というマーナムの答えにはもう一人産むのよ!フローリアが言うように、3という数字がいかに大切にされているのかということがわかる。
アリーシャは次のこの村の長、マーナムは自警団団長でダイの剣の才能を見込んでいて、ダイの剣の先生である。

ここに突如入ってくるのが、ダイス先生に弟子入りしたいファンルンで、ファンルンはナダージアからの留学生、魔法考古学を専攻しているという設定である。『ファンルンの弟子入り志願』ではこの里にあるファランディーアの泉の《滅びの剣》の研究がしたいと言い出す。泉は枯れ、今は芝生になっているというフローリアとアリーシャに対し、だったら掘り起こす!とまで言う始末。ダイは滅びの剣という言葉がどこか引っかかる様子。マーナムはよそ者か軽々しくその名を口にするな!と激昂し、ファンルンはダイス先生を追って逃げる。

フローが一角狼座の最後の稽古がもうすぐ始まることを途端に思い出し叫び出す。慌てるダイとフロー、エルカはあとからおいかける!と言い、走り出すダイとフロー。
ここで『風の里“ルトフ”』を歌う。この里のフローリアに10年前に拾われて以来過ごしてきたこの里が好きだ!という気持ちをあふれんばかりに歌った歌。背景が本当に里を走り抜けて一角狼座にたどり着くまでを表していて、二人そろって一角狼座に入る(後ろの幕に消える)。

一角狼座の中では座長のウィルトスがあの二人はまだ来ないのかとイライラ、それを歌った『一角狼座の人々』。曲の終盤に二人が走って入ってきて、「遅いよ、リューン!」と口々に言われるのを、お互い相手を指さしてこいつのせいだ!と言わんばかりの態度をとるが、「ふたりともだよ!」と一座のみんなに一蹴されて、♪愛に満ちた一座~と歌い出す、エルカも途中から合流する。

その後仮面劇『風の魔法使い』がスタートする。ダイはガンドラ王、フローは魔法使い、エルカが盲目の少女、ウィルトスが語り手、アルムスがアコーディオン、サーナがギター、ユンナが太鼓、チャミーが風の魔法使い、ジーズ、ザーズ、ドーズは風の魔法使いのお付きの人。
内容は、慈愛に満ちたガンドラ王のところへ盲目の少女がやってきて、目をみえるようにしてくれないかと頼む。しかし王はそのようなことができずに動揺する。そこに入ってきた魔法使いが目をみえるようにし、あらゆるものを便利にしていく。魔法使いが出てくるまではみんなの注目の的だった王は誰も目をくれなくなったことに嫉妬し、魔法使いを剣で殺してしまう。魔法使いを殺してしまった剣は滅びの剣と化し、自分の意思に反して勝手に人を殺していくようになる。どうしてこうなるのか途方に暮れている王の前に風の魔法使いがあらわれ、その剣を葬るかわりに、この世を立て直すため、王を不死身にしてこの世を託して消えていく。という話である。

劇中、エルカが二人に向かって、これが終わったら付き合って欲しいところがあるの、と声をかける。

劇中劇をしている上手側ではダイスとフローリア、マーナムとアリーシャが会話をしている。劇中劇とこの会話が交互に繰り広げられていく。
フローリア「行かなかったんですか?」ダイス「あの話はあんまり好きじゃない。」フローリア「そうでしたね、何か食べるわね、今持ってくるわ。」アリーシャ「私が持ってきます。」ダイス「あなたはいい。」アリーシャ「ありがとう」マーナムがやってきて「じゃあいってくる」アリーシャ「気をつけて」マーナム「あんたの弟子とかいうやつ見なかったか?」ダイス「弟子ではない」マーナム「さっきからみあたらないんだ。あんたは優秀な学者だ。ああいう変なやつが後を絶たない。魔法使いは滅びたのにいつまで研究を続けるつもりだ。」アリーシャ「あなた、ダイスさんは悪くないでしょう?」というような会話が行われる。そしてマーナムが見張りの仕事に行く。

劇中劇の本番初日が終わりお疲れさま!と宴が始まる。ダイスに「あんたにもきてほしかったなぁ」と声をかけるが、用事が入ってしまって…とごまかすダイス。そんな中3人の不在に気がつく。そこにアリーシャが走って現れ、かくしておいたはずの成人の儀で渡す箱がないと伝える。アリーシャはここで産気づき、ダイス先生とフローリアが走って二人を探しに行く。アルムスが3人がファランディーアの泉のあった場所に行くことをきいていたため。

3人がファランディーアの泉にたどりついたところでエルカが成人の儀でもらうはずの箱を持ってきたと言う。やるな!と喜ぶダイと
呆れているフローであるが、二つの月がともに満月の夜に開く箱だというので開けようとしたが開かなかった。そこで突然ファンルンと遭遇する。 ファンルンはファランディーアの泉の至る所を掘り、滅びの剣を探していた。そこでダイは、滅びの剣を手にしてどうするのかと問う。ファンルンは自分の研究に生かすと言うので、フローは、研究のためならいいよと言う。ダイはそんなフローを止める。
エルカが箱が開いていることに気付く。箱の中には呪文の紙が入っていて、3人の声で唱えよと書いてあり、それが劇中劇のフローの台詞と同じものだった。3人でその呪文を唱えた瞬間は何も起きなかったが、フローが風がおかしいと言い出す。次の瞬間、あたりの様子がおかしくなり、『ファランディーアの泉』が流れ出す。ファランディーアの泉に突然水が戻り、真ん中に滅びの剣が出現する。ファンルンの制止を振り切りエルカがその剣を手にする。エルカが荒れ狂い、近づいたダイとファンルンがターゲットとなってしまい襲われる。フローが「リューン!」と叫ぶと空気が変わり、3人で唱えた呪文であるフローの台詞をフローが音にのせて歌う(『風のレクイエム』)。これによってエルカは力が抜け、手から剣が落ちる。そこに追ってきたダイス先生とフローリアが来る。蘇らせてはいけない滅びの剣が蘇ってしまった瞬間であった。
蘇ってしまったこの状態にさらに拍車をかけるように悪いことが重なる。
里の周りに火がつけられ、攻められているという状態である。
そこでダイは「マーナム先生が見張りをしているのに…!」と言って、ダイス先生が布を巻いて持っていた滅びの剣を布ごと奪ってかまど亭に向かった。

場面は一転し、攻めてきたカダ王国の話となる。
将軍ダナトリアは使いのキャスヴィルにどこに滅びの剣があるのかを探しだせと命じていた。滅びの剣の在処がルトフの里であると断定できたキャスヴィルがそれをダナトリアに報告している場面である。キャスヴィルはダナトリアになぜ伝説の滅びの剣を探すのかと問う。テントに蜂が一匹入ってきたとして、賢い者は習性を生かして追い出すが、万一この蜂が特別な蜂であったらその手立てが効かないかもしれない、だとしたら自分がさされる前に殺してしまえという理論であると答える。最後にダナトリアは日が昇る前に攻め入ると命じる。ここで『人を殺す正義』をダナトリアが歌う。里の入り口で見張りをしていたマーナムがキャスヴィルとダナトリアと戦い、マーナムが負け、首を取られる。

かまど亭のセットに戻り、キャスヴィルが長を出せとウィルトスたちを脅していた。今は長は外出中であるがルトフの民は反抗しないから鞘に収めてくださいと言うが、裏で出産をしていたアリーシャが叫んでしまったがために出てきていない人間がいることがばれ、ウィルトスが殺されかける。そこをユンナが後ろから椅子でキャスヴィルを殴り、全員で逃げようとする。
しかしかまど亭の入り口からマーナムの頭を持ったダナトリアが入ってきて一座を襲う。
そこに入ってきたダイが一言「滅びの剣ならここにある!」と叫ぶ。ダナトリアは「なんと言った?」と疑い深そうに振り返る。ダイはもう一度「滅びの剣ならここにあるといったんだ!」と強く言う。
走っていったダイを追って、フローたちがかまど亭に到着する。ダイはフローに「こいつらのこと覚えてるか?」と言う。「え?」というフローにダイは「こいつらが10年前両親を殺したんだ!」と告げる。
ここで『血塗られた記憶』をふたりが歌う。自分の目でみた両親が殺されていくところ、もう二度と会えない悲しみ、そして最後に憎しみに目覚めてしまうダイ。「殺してやる…!」と言って滅びの剣を手にしてしまう。その後キャスヴィルを殺し、すごい!やるじゃないか!と近づいてきたウィルトスも周りにいた一座の仲間も殺してしまう。
ここで再び、フローが「リューン!」と叫び『風のレクイエム REPRISE』を歌う。力は抜けるものの、手から離れることはなく、「フロー…!」と叫びながらダイは黒い獣にさらわれるようにどこかへ消えていく。

舞台の縁に立ったフローにだけスポットが当たり、ダイを心配するフロー。
その後、焼け野原となった里の背景の前で立ち尽くす、フロー、フローリア、ダイス、エルカ、ファンルン。フローがダイス先生に、ダイを止める方法がないのかと問う。ダイスは「腕を切り落とすことも鞘に収めることもできないまま、死ぬまで人を斬り殺し続けるしかない」と告げる。「だったらぼくがダイを殺してくる!」と叫ぶ。フローリアには止められるが、「ダイと約束したんだ!道をあやまったときは身をていしてでもお前を止めるって」と言う。そんななかエルカも私のせいでこんなことになったんだから私もフローに着いていく!と仲間になる。ダイスはそんな二人を見てファンルンも仲間に加える。ファンルンには二人のことを見事守りぬいた暁には弟子にしてやるという約束をした。嫌がるファンルンであるが、エルカに行くのか行かないのか決断を迫られ、結局行くことになり、旅の準備をしに消える。
ダイスは3人の後を追うとフローリアに告げる。「風の魔法使いを探しに行くんですね」とフローリアは答える。「元はといえば私の欲望が引き起こした出来事。片をつけてきます。」といい、消えていくダイス。そんな背中を見て、『ガンドラ王…』とつぶやくフローリア。ここで劇中劇『風の魔法と滅びの剣』が本当に起きた出来事で、あのとき滅びの剣を生み出したガンドラ王がダイスであることを観客は知る。
そして3人は舟で旅にでる。センターに舟を出して、『風の舟』が歌われる。はじめは3人がひとりずつ歌う。ダイに殺された一座の人々やダイス、アリーシャ、フローリアなどが下手側にあつまる。
上手側にはダイやダナトリアがでてきて全員で歌って一幕が終わる。



ひとまず一幕の終わりまで。
二幕は次書きます。